プロのコピーライターが伝える優れたキャッチコピーの考案術
2024/4/2
2024/6/9
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優れたキャッチコピーの考案術
“キャッチコピー”、それは商品を紹介・宣伝するのに大きな役割を果たす、マーケティングに欠かせない重要ツールです。
その重要性は、デザインや広告などのお仕事に携わっている人なら深く理解されていると思います。
この記事では、プロのコピーライターが伝える優れたキャッチコピーの考案術を解説していきたいと思います!
目次
キャッチコピーの役割や重要性とは?
さて、まずはキャッチコピーの役割や重要性など、基本的なことの理解を深めておきましょう。
そもそもキャッチコピーって?
キャッチコピーとは、「商品やサービスなどを魅力的に見せたり、強い印象を残すことを狙いとして、広告媒体などに用いるための短いことば言葉(ショートフレーズ)」のことです。
「キャッチ(つかむ)」と「コピー(広告文)」を組み合わせた言葉で、主にターゲットの関心をつかむことを目的とするものになります。
商品やサービスだけでなく、会社やお店、イベント、人物プロフィールなどさまざまな場面で用いられています。
なお、この記事内では分かりやすく「商品」という言葉で統一しています。
キャッチコピーはどこに使われる?
キャッチコピーは、主として商品の広告媒体やパッケージにおいて使われます。
マーケティングにおける要の要素となるものであり、顧客に対して商品の存在や魅力を上手くアプローチするために重要なものとなります。
人はファーストビュー(パッと見た瞬間)に、その商品の取捨選択をほぼ決めてしまうといわれています。
まさにこのファーストビューで目にするキャッチコピーは、商品の成功の命運を分けるものと言っても過言ではありません。
“優れた”キャッチコピーとは?
では”優れた”キャッチコピーとはどういうものと言えるでしょうか?
優れたキャッチコピーとは、先の目的に対しての「結果が出せる」ものに他なりません。
先の目的というのは、どれだけ売上げや問合わせなどを増やすかというような、広告宣伝活動を行う上での最終的な狙いとなります。
いくらオシャレでかっこいいキャッチコピーであったとしても、その先の目的に対しての成果が出せなければ優れたキャッチコピーとは言えないでしょう。
キャッチコピーを考案する時は、このことを常に念頭に置いた上で考えていくことが大切です。
優れたキャッチコピーの考案術(準備編)
さて、ではいよいよ本題に入っていきましょう!
ここからは、ZIGZOW直伝の、『優れたキャッチコピーの考案術』をお伝えしていきますね!
まずは、キャッチコピーの考案に入る前の準備段階を解説します。
ここも重要なものとなるので、しっかりと行ってください!
①「商品の武器(魅力)」、「ターゲット」、「先の目的」を明確にしておく
キャッチコピーの考案を開始する前に、まず3つのことを明確にしておきましょう。
それは、「商品の武器(魅力)」、「ターゲット」、「先の目的」です。
これらをしっかりと明確に定義しておくことで、コンセプトに合ったキャッチコピーを考案していくための大切な道標となります。
①商品の武器(魅力)とは?
「商品の武器(魅力)」とは、その商品の強み・セールスポイントです。
今一度、商品の武器(魅力)をとことん明確にし、商品へ理解を深めておきましょう。
②ターゲットとは?
「ターゲット」とは、アプローチしたい主となる顧客層のことです。
抽象的に定義するのではなく、できるだけ具体的に定義することが大切です。
3.先の目的を明確にする
「先の目的」とは、先ほども言いましたが、どれだけ売上げや問合わせなどを増やすかというような、広告宣伝活動を行う上での最終的な狙いとなります。
目的を明確にすることで、より成果につながるキャッチコピーが考案できます。
②キャッチコピーの”狙い”を決める
次は“キャッチコピーの狙い”を決めましょう。
キャッチコピーの狙いとは、キャッチコピーを見た人にどのような心的操作を図るかということです。
分かりやすく言うと、「このような思いになってもらいたい」、「このような印象を植え付けたい」などということになります。
ZIGZOWでは、主な狙いとしての種類を、次の4つで分けています。
1.関心・興味を引くことを狙いにする
何よりもまずは商品への関心や興味を引くことを狙いとしたい場合です。
「ついつい目が止まってしまう」、「商品のことをもっと知りたいと思わせる」ようなキャッチコピーを考えてみましょう。
構成としては、ユニークさやインパクトがあるものなどが特に効果的となります。
2.商品の魅力を伝えることを狙いにする
商品の魅力を伝えることを狙いとする場合です。
商品の魅力を、ストレートに、もしくは間接的に感じてもらえるようなキャッチコピーを考えてみましょう。
3.記憶に残すことを狙いにする
商品のことを記憶に残すことを狙いとする場合もあります。
顧客の購買動機というものは、過去の記憶も影響を与えます。
例えば、歯磨き粉を選ぶ際など、無意識ではあるもののテレビのCMで見ていた商品を選ぶことが多いのです。
つまり長いスパンでのマーケティング戦略として、ターゲットの記憶に残すことを狙うキャッチコピーを考えることもあります。
4.ブランディングを図ることを狙いにする
その商品をブランディングを狙いとするキャッチコピーというものもあります。
購買動機に働きかけるという要素は弱いですが、商品の世界観を演出し、強いイメージや印象を植え付けることができるのが魅力です。
優れたキャッチコピーの考案術(意識・実行編)
次に、キャッチコピーを考案する際に意識しておくことと、実行すべきことを解説していきます。
以下の3点を意識・実行することで、より良いキャッチコピーづくりにつながります。
①ターゲットの立場・思いになって考えること意識する
キャッチコピーを考案していく上で、終始忘れてはいけないのは、「ターゲットの立場・思いになって考える」ことです。
売り手の立場や目線からのことばでは、ターゲットの心に響くことはありません。
ターゲットが自分と違う性別や年齢などであっても、その人になったという想像を膨らませ、また調査を行うことも大切です。
キャッチコピーを考えるときは、常にターゲットの立場・思いになることを忘れずに意識しておきましょう。
⑤途中浮んだコピーは文字に書き出す
思いついたアイデアは、あいまいでも、少しでも、単語だけでも良いので、必ず文字として書き出しましょう。
媒体は、手書きのノートでも、パソコンのワードでも構いません。
とにかく、白紙が文字で溢れかえるぐらいに書き出します。
これらの言葉を紡いだり、派生させることで、輝くキャッチコピーが生まれることになります。
⑧デザインに落とし込んで考える
キャッチコピーを用いるチラシや印刷物、ウェブ画像、サムネイルなどの媒体に、実際にデザインとして落とし込んで、どう見えるかということも確認しておきましょう。
テキストだけで見るのと、実際にデザインされたもので見るのとでは、また印象も変わってきます。
ビジュアルも加味した上で考えることもプロとしての仕事です。
キャッチコピーの考案を請負する場合などは、クライアントにもデザインに落とし込んだ際のイメージも合わせて提案することができれば、より満足度を得ることができるでしょう。
優れたキャッチコピーの考案術(ステップ編)
上記の準備が整えば、いよいよ考案段階に入っていきましょう。
まずは、考案のステップ(流れ)流れについて解説していきます。
①最初はノーヒントで考える
最初は自身の頭だけを使い、ノーヒントで考えましょう。
はじめから他の例や資料などを当てにしてしまうと、どうしても発想がそれらに影響されてしまいます。
ターゲットが初めて商品と出合う時の新鮮な瞬間をよりイメージできるのは、コピーライターも同じく、商品と向き合ったばかりの考え始めの時期となります。
この段階で生み出したキャッチコピーのアイデアは非常に強いキャッチコピーであり、後にブラッシュアップしていくことで、結果的に採用案になることも多くあります。
もうこれ以上は浮かばないというところまで、まずはノーヒントで出し切りましょう。
②資料も参考にさらに考える
自身の頭でアイデアを出し切ったら、次は資料をヒントに考案し、さらに案を出していきましょう。
「プロなら完全ノーヒントだけで生み出したい」という思いを持つ人もいるかもしれませんが、自身の発想だけでは知識やセンスに限界があるため、1度だけならまだしも、毎回優れたキャッチコピーを生み出し続けることは不可能です。
対外的なものからインスピレーションやヒントを得て、上手く活用できるのもコピーライターとしての一つの能力です。
効率的に資料を活用できるかということも重要なので、他のキャッチコピー例や、書籍、ウェブサイト、アイデアノートなど、事前に資料を備えておくというのもコピーライターの力量といえるでしょう。
③出した案を見直しブラッシュアップする
ここまでで考えた複数のキャッチコピー案をすべて見直して、さらにそれらをブラッシュアップさせていきましょう。
ことばを別のものに変えたり、文脈の前後を置き換えたり、同じひとつのコピーでも工夫次第でさまざまに表現を変えることができます。
今一度ターゲットの気持ちとなり、印象的なキャッチコピーとなるように十分練り上げましょう。
④一度寝かしてから再度見てみる
さて、ここまできたら一度デスクから離れて、数時間から1日寝かしてみましょう。
その後、もう一度キャッチコピーを見直した時には、さっきとは印象が変わって見えることに驚くはずです。
そうしたら、もう一度案を選定し直したり、ブラッシュアップするなど、してより質を高めていきます。
納期までに時間がある場合は可能な限りで、寝かして見直す作業を繰り返すことで、最終的により納得のいくキャッチコピーと仕上がっていくでしょう。
優れたキャッチコピーの考案術(テクニック編)
次はキャッチコピーを構成するための手法やテクニックについて解説していきましょう。
以下で紹介する、さまざまな言葉の手法を活用すれば、幅広いキャッチコピーが思いつくはずです。
話口調にする
話口調にするのはオーソドックスな形式・手法のひとつです。
見る人に親近感や同調感を与えることができるのがメリットです。
【例】元気出していきましょう。(エーザイ株式会社 / 製薬会社)
【例】とりあえずアゲてこう。(ZIMA / 低アルコール飲料)
【例】尖った大胆さ、くれよ。(採用サイト|TDK株式会社 / 電子部品メーカー)
疑問符を使う
疑問符を使うのも定番の手法です。
問いかけることで、見る人の意識をこちらへ向けることができます。
【例】今日、ケンタッキーにしない?(ケンタッキーフライドチキン / ファストフードチェーン)
【例】いま、この街で何がおもしろい?(HereNow(ヒアナウ) / シティガイド)
【例】さて、どの手でいきますか?(名古屋エステイト社 / 不動産コンサルタント会社)
数字を含める
文章に具体的な数字があることで、見る人の関心や印象を深めることが研究で証明されています。
何かキーとなる数字を含めたキャッチコピーというのも一度検討してみましょう。
【例】100年りんご作ってます。(やまだい農園 / 農園)
【例】人生に2時間の幸せを(株式会社ワン・ダイニング / 飲食店チェーン)
【例】いますぐ出かけよう30秒の旅へ。(30 セカンド トリップ / 観光メディアサイト)
品詞・接続詞を組み合わせる
品詞・接続詞を組み合わせるのも面白いコピーに仕上げるテクニックのひとつです。
商品背景を膨らませての商品の魅力を表現などができます。
【例】思った以上に、すぐ住める(ウィークリー&マンスリー / マンション情報予約サイト)
【例】だからこそ、川本。(島根県川本町 / 島根県の町)
【例】やがて、いのちに変わるもの。(株式会社ミツカン / 食品メーカー)
ひら・カナ表記を工夫する
ひら・カナ表記を工夫するのも一つの面白い試みです。
平仮名をカナに、カナを平仮名に変えてみるだけで、印象や雰囲気を変えることができます。
【例】ナナメウエ、イケテル?(ポノス株式会社 / ゲームアプリ開発会社)
【例】カガクでネガイをカナエル会社(株式会社カネカ / 化学メーカー)
【例】オドロキを、ぬりかえろ。(株式会社ドロキア・オラシイタ|採用サイト / 洋菓子製造販売会社)
同じことばを繰り返す
同じことばを繰り返すのも面白い手法です。
思いを強く伝えたい時などに効果的です。
【例】ごはんがうまいから、定食がうまい。(やよい軒 / 日本食店チェーン)
【例】幸せを運ぶ、幸せ。(幸運ホールディングス株式会社 / 運送会社)
【例】何を伝える。何で伝える。(株式会社文藝春秋|採用サイト / 出版社)
同じ読みの言葉を使う
漢字などで、同じ読みの言葉を使うのもよく見かける構成です。
上手く作ればユニークな表現ができるでしょう。
【例】降伏はしない。幸福のために。(株式会社タカラレーベン / 不動産ディベロッパー)
【例】製造じゃない、創造するんだ。(採用サイト|Taica / 素材研究開発会社)
【例】発想から発送まで(アイグッズ株式会社 / グッズ専門会社)
造語を用いる
オリジナルの言葉、つまり造語をつくって用いたコピーとするのも面白いですね。
その造語がもし流行れば、将来的に大きな価値を生んでくれるでしょう。
【例】あきらめなイズム。(アキレス株式会社 / ゴム製品メーカー)
【例】製造業から「創造業」へ。(タカノ株式会社 / 健康福祉機器メーカー)
【例】近トレしよう(ジェクサー / フィットネスクラブ)
韻を踏む
韻を踏んだような言葉とするのも印象的なキャッチコピーをつくるテクニックです。
考案するのは少し難しいですが、かっこいいコピーに仕上がるでしょう。
【例】NOISEをVOICEに。(TOKYO VOICE / フリーマガジン)
【例】包装以上、想像以上(株式会社トパック / 包装機メーカー)
【例】志望より、野望。(新卒採用サイト | 株式会社JR西日本コミュニケーションズ / 鉄道会社)
漢字をもじる
漢字をもじるのもユニークに仕上げるテクニックかもしれません。
面白味のあるキャッチコピーに仕上がるでしょう。
【例】次に登る日を、もっと好い日に。(好日山荘 / 登山・クライミング・アウトドア用品の総合専門店)
【例】その日は、消えない。(ワタベウェディング / 海外挙式サービス業)
【例】原動力は好働力!(Sky株式会社|キャリア採用サイト / システム関連企業)
句読点を工夫する
句読点の付け方を工夫することもひとつの手法です。
同じ文章でも句読点に少し違和感を与えるだけで、印象や意味に変化を与えることができます。
【例】ともに立ち、向かう(岐阜協立大学 / 私立大学)
【例】より、そう、ちから。(東北電力 / 電力会社)
【例】お、ねだん以上。(ニトリ / 家具販売店)
対義語・反対語を用いる
対義語・反対語を用いるのもひとつの構成方法です。
2つの対となる意味の言葉を用いることで、商品の魅力を面白く演出することなどができるでしょう。
【例】小さな予算で、大きな家を。(TOKYO BIG HOUSE / ハウスメーカー)
【例】冷めても、あたたかい料理をつくりたい。(株式会社八百彦本店 / 仕出し弁当屋)
【例】小さなネジの大きな使命(トルク株式会社 / ボルト専門商社)
倒置法を使う
文法の倒置法を使うひとつのテクニックです。
文脈の前後を置き換えるだけでも、受ける印象が変わるのも面白いところですね。
【例】ベストな商品、選ぶなら。(株式会社マイベスト / 商品比較メディアサイト)
【例】「生きる」を増やす。爆発的に。(株式会社ヘリオス / 医薬品メーカー)
【例】みつけてもらおう、自分の活かし方。(タニモク / 就活ワークショップ)
括弧を取り入れる
括弧を取り入れるのも、変化を付ける一つの方法です。
その部分を強調することができ、印象を高めることができます。
【例】合言葉は「心のこもったもの作り」。(日本シイエムケイ株式会社 / プリント基板メーカー)
【例】「続く」を支える。(株式会社ヤマタネ / 倉庫卸売企業)
【例】「やりたいこと」を「できる」に変える(さくらインターネット株式会社 / ホスティングサービス企業)
商品名を含める・活用する
商品名を含める・活用するのも定番の構成です。
ターゲットに商品名を認知させることができるのが大きなメリットです。
【例】本を売るならブックオフ(ブックオフ / 古本リサイクルショップ
【例】本当の私はウズウズではじまる!!(株式会社UZUZ / 職業紹介サービス会社)
【例】しあわせに、BAKEる。(株式会社BAKE / 菓子メーカー)
ストレートに特徴や魅力を伝える
ストレートに商品の特徴や魅力を伝えるキャッチコピーの典型スタイルのひとつです。
見る人にダイレクトにアピールができるのが魅力です。
【例】新製品が安い(ケーズデンキ / 家電量販店)
【例】難関校受験専門(学習塾ノエクリ / 学習塾)
【例】スマホで撮るだけ、クルマが売れる。(DMM AUTO / 車買取査定アプリサービス)
間接的な表現をする
商品の魅力やメリットを、間接的な表現で伝えるテクニックです。
商品の先にある価値などを気付かせるようなものを考えてみましょう。
【例】ザ・パークハウスではじまる朝が、好きだ。(ザ・パークハウス / 分譲マンションブランド)
【例】人生に2時間の幸せを(株式会社ワン・ダイニング / 飲食店チェーン)
【例】意外と、 みんなの話でした。(Oops (ウープス) / ED診療ウェブサービス)
ターゲットの思い・声を表現する
ターゲットの思いや声を表現するようなキャッチコピーの構成法です。
ことばに共感を感じてもらうことで、商品への興味を持たせることができます。
【例】私は、これくらいの距離感がちょうどいい。(荻野鷹也税理士事務所 / 税理士事務所)
【例】今日、モス気分(モスバーガー / ハンバーガーチェーン)
【例】それ、野村にきいてみよう。(野村證券 / 証券会社)
違和感を感じる表現をする
意味として少しおかしいような、違和感を感じる表現をしてみるのも面白い試みです。
見る人の思考を一瞬停止させて、意識をこちらに向けることができるでしょう。
【例】デザインが冷めないうちに!(くまweb / デザイン会社)
【例】天気は眠らない。(株式会社ウェザーニューズ / 天気予報配信サービス)
【例】「最先端」に価値はない。(ベイシス株式会社 / エンジニアリング会社)
矛盾的な表現をする
上の「違和感のある表現」における、構成方法のひとつです。
矛盾するような表現を考えてみましょう。上手く作れれば、センス感じるおしゃれなキャッチコピーに仕上がるでしょう。
【例】芸能にマジメ。(テアトルアカデミー / 芸能学院)
【例】出る杭は伸ばす(採用サイト|株式会社ノジマ / デジタル家電製品販促企業)
【例】砂糖に甘くない時代だから。(天下糖一プロジェクト / 砂糖のイメージアップ企画)
ことば遊びを使う
なぞかけやダジャレのように、ことば遊びを使った構成のコピーです。
とてもユニークなコピーに仕上がりますが、考案の難易度は高いでしょう。
【例】つけるが、価値。(セメダイン株式会社 / 接着剤メーカー)
【例】いちから「住。」まで(アールプランナーグループ / 不動産事業会社)
【例】ふやしたいのは、笑顔です。(アートネイチャー / 毛髪企業)
横文字で構成する・用いる
横文字で構成したり、用いるのもひとつ考えてみたいところです。
スタイリッシュやお洒落、モダンな雰囲気に仕上げることができるのが魅力です。
【例】Just Do It.(NIKE / スポーツ用品メーカー)
【例】ハローしあわせ。(ハーゲンダッツ ジャパン / アイスクリーム会社)
【例】Happy Life, Happy Home.タマホーム / ハウスメーカー
マイナスニュアンスなワードを用いる
あえて、マイナス的なニュアンスのワードを用いるのも面白いコピーです。
遊び心に溢れるような楽しいイメージを与えることができます。
【例】もっと、さぼろうよ!(Eat & Stay とまとと / ゲストハウス)
【例】出る杭は伸ばす(採用サイト|株式会社ノジマ / デジタル家電製品販促企業)
【例】ちょっと変だぞ うおみえん(社会福祉法人遊星福祉会 うおみこども園 / 鹿児島県の認定こども園)
なまりことばや昔のことばにしてみる
少し稀な手法ですが、なまりことばや昔のことばにするのも面白い試みでしょう。
商品の世界観や雰囲気を上手く演出できるかもしれません。
【例】予想外の楽しさ満載でござーーーる(佐賀元祖忍者村 / テーマ パーク)
【例】ええやん、保証協会。(大阪信用保証協会 / 保証協会)
【例】この 専門学校 ちょっち 変わっちょる(専門学校ビーマックス / 専門学校)
ポエム調にする
ポエム調に表現するのも面白いかもしれません。
商品の世界観を効果的に演出することができます。
【例】黒川のはずれ。針葉樹林の森の中、ひっそりと佇む宿。(黒川温泉 旅館 山河 / 旅館)
【例】“人類は月を歩いた。いまだ、走ったことはない。”(BROOKS / スニーカーメーカー)
【例】ザ・パークハウスではじまる朝が、好きだ。(ザ・パークハウス / 分譲マンションブランド)
超短文にする
5文字以内くらいの超短文にするのもアリかもしれません。
インパクトが出て、より強い意志や主張を伝えることができます。
【例】無添(くら寿司 / 回転すし屋)
【例】正直品質。(FANCL / 美容品メーカー)
【例】家は性能。(一条工務店 / 工務店)
キャッチコピー考案スキルアップ法
キャッチコピーを生み出す能力は、スポーツと似ているかと思います。
いくらセンスが優れていたり、知識に溢れている人だとしても、普段からトレーニングをして力をつけておかなければ、いざ結果を残すことは難しいでしょう。
プロのコピーライターとして継続していくには、筋トレを続けると同じように、日々鍛錬して力を付けておくことが大切です。
では、どうやって鍛錬するのか?ということを以下に解説していきましょう!
①常日頃から意識して見る
まず基本となる実践が、常日頃から周囲に溢れるキャッチコピーを意識して見るということです。
テレビのCM、折込チラシ、商品パッケージ、中づり広告、街中の看板、ウェブ広告など、キャッチコピーは生活の中に無数に存在しています。
普段から身の回りにあるキャッチコピーを意識的に見ることで、アイデアや発想力が蓄積され、自然に考案力を高めてくれることになるでしょう。
②良いアイデアをメモ・記録しておく
日常の中で、これは良いと思えるキャッチコピーや、使えそうな言葉に出合ったなら、スマホでメモしたり、写真を撮ったりと、それを記録しておきましょう。
いざキャッチコピーを考案するとなった際に、それらを見返すことで、大きなヒントを得られることがあります。
記録資料を蓄えられているかということも、プロのコピーライターの実力に差を付けるものとなります。
③書店に足を運ぶ
書店は、コピーライターにとってキャッチコピーのヒントが溢れている宝島です。
普段からもですが、もし考案中にアイデアに行き詰まったら書店に出向いてみましょう。
本1冊には、題目やセールスコピー、見出しなど、工夫を凝らされた言葉が溢れています。
無作為に立ち読むだけでも、インスピレーションを与えてくれる言葉にたくさん出会えるでしょう。
④雑誌・辞典的な本を持っておく
私は書店では言葉を探すだけでなく、雑誌や辞典的な本をついでに購入しています。
雑誌は特にファッション雑誌がおすすめです。
ファッション雑誌には、購読者の心をつかむためのユニークな言葉がふんだんに盛り込まれています。
考案中に、目を通すことで思わぬヒラメキを与えてくれることが多くあります。
また辞典系は、普段は使わない言葉なども見つけることができ、こちらも大きなアイデアツールとして活躍してくれます。
⑤部分的にAIを活用するのもあり
時代は進み、クリエイティブワークの分野にとってAIの存在は無視できないところまで来ました。
今やキャッチコピーも、AIによって幾らでも考えさせることができます。
しかしながら、斬新な発想や秀逸な構成というのは難しいようで、まだまだ人間の頭脳に及ぶところではない印象です。
当然のところプロのコピーライターがAIに丸々考えさせるというのはあり得ないことですが、かといってAIに完全に背を向けていては時代に取り残されてしまいます。
類似の言葉などを見つける時などAIの機能力は高く、このような部分的な活用であれば、私はプロのコピーライターであってもAIに頼ることはありだと考えています。
クライアント案件にどう向き合うか?
さて、この記事を見てくれている人の中には、クライアント案件として、日々仕事としてキャッチコピー考案を行っているコピーライターの方もいるかと思います。
クライアントから依頼を受けてのコピーライティングは、自社商品のキャッチコピーを考えるのとは、クライアントの意図を理解し、納得させる必要があるなど、大きく訳が違ってきます。
ここでは、プロのコピーライターがクライアント案件にどう向き合うか?といったことについて解説していきます。
1.商品と市場について徹底的に把握する
クライアント案件のキャッチコピーづくりでとても大切なことは、商品と市場について徹底的に把握することです。
商品と市場についての理解が浅いまま考案すれば、コンセプトからズレたものとなってしまいます。
徹底的に商品と市場について理解するためには、徹底的なヒアリングと分析調査を行うことが大切です。
商品については徹底的なヒアリングによりクライアントと齟齬が無いくらいの理解に努め、案件の業界や分野についてはしっかりと分析調査を行い、市場理解を深めてから考案することが肝心です。
2.成果につながるキャッチコピーを提案するのがプロ
クライアント案件で、何よりも悩ましいのが、「クライアントの好みに合わせるべきか?成果につながると思うものを提案すべきか?」ということでしょう。
クライアントの好みに合わせたキャッチコピーを提案すれば、もちろんクライアントから一時の評価は得ることはできますが、しかし実際に成果につながるものでなければ、それは結果的にクライアントにとって価値はあるものではありません。
結局のところ、クライアントにとって最終的に価値あるキャッチコピーとは、成果につながるキャッチコピーに他なりません。
クライアントに媚びたりせず、成果が出せるキャッチコピーを提案し、クライアントをも納得させるということが本物のプロに求められる仕事でしょう。
3.何か少しでも"感動"を与えよう
私がクライアント案件の仕事に取り組むときに、いつも心がけているのは、少しでも"感動"を与えるということです。
人は期待と想像を超えたものに出合った瞬間に感動を体験します。
クライアントの期待と想像を超えるようなキャッチコピーをひねり出しましょう。
「思いもつかなかった!」、「自分では考え付かない!」といった感想をもらえればコピーライターとしては最高です。
少しでも感動を与えるキャッチコピーが提案できれば、クライアントはきっと満足することになり、結果そのキャッチコピーも素晴らしいものとなっているはずです。
4.クライアントを納得させる3つのポイント
①クライアント好みの案を合わせて提案する
クライアントの好むキャッチコピーを合わせて提案することが、本命の案への納得を勝ち得るポイントです。
人間の心理として、自身の要望が満たされた後は他の意見を受け入れやすくなるものなのです。
プレゼンする時は、最初にクライアントの好みのキャッチコピーを提案し、「このような案も考えましたが、こちらも面白いと思います」というように、後から本命の案を提示するようにしてみましょう。
②意図を分かりやすく説明し理解してもらう
考案したキャッチコピーの真意は、クライアントにすぐに伝わらない場合もあります。
提案したキャッチコピーは、どのような意図で考案したのかということを、分かりやすく説明して、それを理解してもらうことで、クライアントの納得を得ることにつながります。
能力の高いコピーライターは、この説明が非常に上手であり、結果クライアントの心も掴んでしまいます。
プレゼン前には、説明する台本を用意して話す練習をするなど、しっかりと準備しましょう。
③イメージできるビジュアルも見せる
提案するキャッチコピーの「言葉」だけと、実際に広告やパッケージに落とし込んだ際の「実際の見せ方」を提示する、とでは見る人が受ける印象は大きく変わります。
言葉だけではピンとこないキャッチコピーでも、実際のビジュアルに落とし込んで見た時に、「なるほど!いいね!」と、感じてもらい、大きく納得してもらえることは多々あります。
コピーライターという肩書であっても、デザインソフトなどを使って、ある程度のデザインができるスキルも持ち合わせておくことが求められるでしょう。
5.プロとして、できうることは「する」。
コピーライターとしての一番の仕事は、何を言おうが、もちろん最上のキャッチコピーを提案することです。
しかし、いかに優秀なコピーライターであっても、どれだけ尽力しても、毎回ベストスコアを続けることは難しいものです。
ただ、クライアントの満足度を高めるにできることは、その他にもたくさんあります。
丁寧迅速な対応であったり、考案意図の分かりやすい解説であったり、イメージ資料の用意など、考案以外の部分で、できうることは「する」という心持をもっておきましょう。
このような納品物の品質以外の仕事面でもクライアントからの評価は変わり、次の仕事につなげることができるでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
キャッチコピーは、マーケティングの要の要素として、ビジネスの成功のカギともなる非常なものです。
クライアントから依頼を受けた、コピーライターに任される役割もとても重いものとなります。
優れたキャッチコピーを考案するには、日々のスキルアップ磨きから、考案前のしっかりとした準備、ステップに沿った考案方法や、さまざまなテクニックを駆使する取り組みが必要となってきます。
今回紹介させていただいたZIGZOW直伝の考案術が、少しでもお役に立つことができれば嬉しく思います。
ZIGZOWでは、『ココナラ』にてキャッチコピーの考案サービスも提供していますので、よろしければご依頼お待ちしています。
また、『きゃっこぴ』というキャッチコピー例を集めたキュレーションサイトもつくりました。よければ見てみてくださいね。
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